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<魔女の弾く鎮魂歌> 悲劇の魔女、フィーネ 14

last update Last Updated: 2026-01-12 22:52:04

「フィオーネッ!」

彼女に駆け寄り、抱き起すなりギョッとした。その顔色は余りにも青ざめていたからだ。

「フィオーネ、しっかりして下さい」

幾ら彼女をゆすってもまるきり反応が無い。

「フィオーネ……」

とにかく彼女を休ませてやらなければ……! 彼女を抱き上げるとタクシーを拾う為に路上へ出た――

****

 幸い、流しのタクシーをすぐに止めることが出来た。運転手にドアを開けて貰い、自分の宿泊先のホテルまで連れて行ってもらうことにした。

タクシーが走り始めると、すぐに隣に座らせたフィオーネの様子を伺った。

ただでさえ、白かった彼女の肌は今は青白くなっている。微かに呼吸はしているものの、全く意識が戻る気配が無い。

「お客様……病院に連れて行かれた方がよろしいのではないでしょうか?」

タクシー運転手が心配そうに声をかけてきた。

「病院……」

口の中で小さく呟き、何故か俺は思った。

多分、病院に連れて行ってもフィオーネの具合が良くなることはないだろうと。

「いえ、取りあえずはホテルに連れて行って下さい。少し様子を見てから病院へ行くかどうか決めるので」

「そうですか、分りました」

俺の言葉に運転手は返事をした。

そしてタクシーはそのま宿泊先のホテルへ向かった――

****

「ありがとうございました」

ホテルに到着するとカードでタクシー代を支払い、フィオーネを抱きかかえて自分の滞在するホテルの中へと入った。

そして空いているソファに彼女を座らせ、すぐフロントへと向かった。

ルームキーを預かり、ついでに車椅子を借りて来るとフィオーネの元へ戻った。

「フィオーネ……」

呼びかけてみるも、やはり彼女は無反応だ。

「仕方ないな……」

フィオーネを抱き上げ、車椅子に座らせると自分の滞在している部屋へと向かった。

 宿泊している部屋は5階だった。

5階行のボタンを押してエレベーターが到着するのを待っている時にふと思った。

ひょっとして、フィオーネの具合が悪いのは俺が彼女のネックレスをしているからではないだろうかと。

そこでネックレスを外し、フィオーネの首にかけてやった。

その瞬間、再び自分の背筋がヒヤリとする感覚を抱く。

やはり、彼女のネックレスが今まで俺を怨霊から守っていたのかもしれない……。

その時。

軽い音と共に、目の前のエレベーターが1階に到着した。

スーッと扉がゆっくり開かれた
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